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「ん〜…カレーたべt「か・れ・は?」
カーネの店には人が住めるほどの部屋があり、そこに居候している二人の言霊師がいた。
枯葉という少女と、秋斗という少年だ。
枯葉は言霊師にも関わらず、言葉の制御が出来てないので、こうやって秋斗が補助していないと何が起こるか分からないのである。
「まったく、お前は本当に言葉の制御が出来ていないな…」
「うぅ…」
「はぁ…今日も仕事やるぞ」
「イェッサー!」
二人は住ませてもらう代わりに、色々な仕事をしている。
今日も、二人はその仕事に行くらしい。
「もうパパーッと行って、パパーって終わらせちゃおう!」
枯葉の元気な声が今日も家中に(というかご近所中に)響き渡る。
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「アッキー…」
疲れた、というよりも、面倒そうな声で枯葉は秋斗に言う。
「なんだ?枯葉」
「…どーして仕事の場所に行くための手段がヴニーの船なの?」
「…さあ?」
「というか、その言葉がまず私に失礼だって思わないかな…?」
枯葉達が目的地に行くためにのっていたのは「草原の海」を渡る船、そう、あのヴニーが航海士をしている船なのだ。
「だってヴニー迷子になるじゃん!カーネが言ってたよ!」
「迷子じゃない観光だもん!」
「…こんなどう見ても何も無い草原の海で?ここ多分ド真ん中だと思うけど…」
「…草原の海って綺麗じゃん?」
「ヴニー…目が泳いでるよ…」
まあ、ヴニーが迷子になるのはいつものことなので、前々からカーネとヴニーの会話を聞いたりカーネの独り言を聞いたりしていて、実際に乗った事は無かったが、枯葉達はもう十分に理解していた。
「ヴニーさん、目的の町が見えてきましたよ!」
「えっ本当!?うん、やっぱりこの道であってたじゃんっ!」
喜ぶヴニーの横で二人は
(でもさ、別の正しい道から来た方が早いよね?)
(ああ、恐らく20分くらいは違うだろうな…)
そんな事を思っていた。
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「じゃー二人とも行ってらっしゃーい!」
「はーいっ!」
「いってきます」
ヴニーに見送られ、二人は目的の町へと着いた。
「えっと…仕事はどんなのだったっけ?」
「これ…何が起こるかわからないから口に出してよm「この町の近くの森の…」か・れ・は?「すみません」わかったならよし」
ちなみに仕事というのはカーネが調香に使う材料の調達だった。ついでになんか怖そうな人達が居るみたいだから気をつけてと書いてあったが、枯葉は気にしていなかった。
「あら、枯葉に秋斗じゃない。どうしたの?こんなところで」
「あっナヅキさん!」
二人に声をかけたのは、幻獣使いの女性のナヅキ。
どうやら彼女もこの町の近くの森に用事があるらしく、枯葉はナヅキの話を聞くと「一緒に行こう」とでも言うような目でナヅキを見ていた。
「…し、仕方ないわね。そんなに一緒にいきたいなら、私も一緒に行ってあげるわ(キャーッ!?何これ枯葉ちゃんカワイーっ!)」
ナヅキは枯葉と秋斗に着いて来る事にした。ちなみに、彼女の心の声は当然二人には聞こえていない。
「やったーっ!」
「すみません、ナヅキさん…」
「いいのよ。それに、あの森は最近変な賊がいたりするから、少し危ないもの。仕方ないから着いていってあげるわ」
「ぞ、ぞく…?」
枯葉はナヅキの言葉に少しびっくりする。
「ええ」
「枯葉、これにかいてある」
秋斗がカーネから貰ったお使いの紙を枯葉に見せる。
すると、そこにはしっかり「変な賊が出てくるらしいから気をつけてね」とかいてあるのであった。
「…ほんとだ」
枯葉は本当に今更気付いたらしく「こんなところに字なんてかいてあったっけ?」という始末である。
「はあ…ちゃんと確認しておけよ…」
「ははは…。まあいいやっナヅキさんもいるし、とりあえず早くいこうっ!」
あきれ返る秋斗に枯葉は「なんとかなるさ」という感じで歩き始めた。
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「バーンくん、スーさん、お願いね」
ナヅキは、森に入るといつも連れているワイバーン(バーンくん)とペガサス(スーさん)を放した。
「あ、あとくれぐれも瀧山がもしいたら直ぐに逃げる事。また狩られたりしたら、私が一応瀧山に言っておくわ」
「あ〜…いつもやられちゃってるもんね、もしかしたら今日m「枯葉」すみません自分の能力考えます」
危うくナヅキの心配が枯葉の言霊によって本当になるところを秋斗がギリギリで止めていた。
「それにしても、変な賊ってなんだろうね」
「賊なら分かるんだが…変な…って…」
「あ、スーさんがもう見つけたみたいよ」
「「早っ!?」」
「変な賊」について話していた二人は早速過ぎる報告に驚いていた。
「どうやら、ド素人みたいね、アレくらいならきっと貴方達でも倒せるわ」
何だか遠くから「アーッ」とか「ゲボラゴボラーンッ!」とか「イヤーンッ!?」だとか「モウワタシイッチャウワーッ!」という変な断末魔が聞こえたのは幻聴である事を信じたい。という風に枯葉と秋斗は思っていた。
とにかく、ナヅキが指差した先では、よく分からない格好をした男達を踏みつけているスーさんの姿があった。
「スーさん…すご…」
「…流石ナヅキさんの幻獣…」
ちなみに一方、バーンくんはというと…。
「…ま、また…やってしまった…」
結局、枯葉の言霊でなくても偶然この森に来ていた瀧山が間違えてやってしまっていたのでした。
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次回予告
ヴニー「やっほー!皆待っていたカナ?ヴニーの次回予告の時間だよーっ!にしても、今回は瀧山が全部オチを持ってっちゃったね〜あの後、瀧山は案の定ナヅに怒られてたよ!そして、次回の主役は、ある意味夢來ちゃんらしいけど…まあ、とにかくツキシマと沙羅架の出番だよ!次回は夢來ちゃんがでるからきっと美味しいお菓子が食べれるんだろうな〜ツキシマと沙羅架ずるい!まあいいや、次回もまた見てね!あ〜なんだか甘いの食べたくなってきた〜」
Written by sinne